2007年1月、40代半ばにゼロからトランペットと音楽をやり直し


by YTR3320
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

初めてジャズを楽しんだ日

初めて「ジャズは楽しいな」と思ったのは、冬のスウェーデンでだった。1984年3月。大学卒業前の旅。20歳の時から手紙のやり取りを続けていたデンマークの友人に会いにいく旅の途中のことだ。

チャッブマン号と言う白い帆船を固定係留したユースホステルから、夜のストックホルム旧市街、ガムラスタンに一人、歩いて行った。日本で買ったガイドブックに載っていたライブハウスに行くためだ。ライブハウスの名前は覚えていない。スタンペンと言う名前だったかもしれない。

店に入ってビールを注文した。スウェーデンは付加価値税で全般に物価が高く、特にアルコールは高かった。ビールも高く、とても何杯もは飲めないなと思った。同じようにビールをちびりちびりと飲んでいるスウェーデン人男性がいたので話しかけてみた。まだ、演奏が始まる前で、客はなぜかステージに距離を取っていた。ステージの前だけがぽっかりと半円形に空いていた。

「ビールが高いね」とか「良く来るのですか」と僕は聞いたのだと思う。男性は、地方に住んでいて「お金を貯めて年に1回か2回、この店にジャズを聞きに来るのが楽しみなんだ。」と嬉しそうに答えた。
やがて、ミュージシャン達が現れた。フロントはサックス2本だ。まだ、ステージ前は空いたままだ。サックスの一人が言った。「みんな、どうしたんだい?ビールを持って前へおいでよ。一緒に楽しもうよ。」 その瞬間、ワァと言う声が上がりビールグラスを持った観客達がみな笑顔でステージ前に寄って行った。もちろん、先ほどまで僕と話していた男性も。僕もだ。そして、演奏が始まった。

観客とミュージシャンの笑顔の交歓があった。自由を感じた。幸せな夜だった。いつか、自分もジャズを演奏出来るようになれたらなぁと思った。

それから、20年くらいたった9月頃、僕は新橋駅の近くを歩いていた。小さなビルの入口にジャズ・トランペット・コースと言うチラシが見えた。チラシを手に取って一瞬立ち止まった。この機会を逃してはいけないよ、と言う心の中の声が聞こえ、僕はビルを上がって行った。
[PR]
by YTR3320 | 2009-04-10 17:52 | 音楽・舞台・映画